

無痛分娩のメリット


私は第一子を自然分娩、第二子を無痛分娩(自然無痛分娩。陣痛が来てからの麻酔開始)で産みました。
自然分娩での痛みを経験しているからこそ、無痛分娩の恩恵もより理解できました。



私は有識者ではないため、
無痛分娩の医学的なメリットには触れられません。
そこで、被験者として感じた良かった点を率直に紹介します。
出産後半の強烈な痛みを感じずに済む
陣痛間隔は、はじめ15分ほどだったものが、10分になり5分になり…とだんだん縮まっていきます。最終的には1分間隔ほどになりますが、このときの痛みは壮絶です。
あくまでも個人の体感はこんな感じでした。
・10分間隔:お腹を絞られるような痛みで「イタタタタ」と体をよじる感じ
・5分間隔:下腹部をこじ開けられるような痛み
・1分間隔:耳の方までガンガンと打たれているような感じ



怖がらせるつもりはないのですが、
悶絶という言葉がぴったりなほど
痛みがおそってきます。
特に初産のときは、2度目に比べると子宮口が開ききるまで時間がかかる傾向です。どうしても出産が長時間になりがちで、痛みに耐える時間も長くなります。
\無痛分娩の痛みのレポはこちら/


いきみに集中できる
私は初産の自然分娩のとき、最後はあまりの痛さで「ハッハッ」と呼吸が浅くなってしまいました。しかし、出産後半のいきみでは、呼吸のタイミングがとても大切です。



今回の無痛分娩では、
陣痛が来始めたタイミングで深く息を吸い、
吸い切ったところから細く長く押し出すように息を吐ききりました。
自然分娩時は痛みで余裕がなく、「細く長く吐く」ことがうまくできなかったように思います。
会陰の裂け具合も違った
初産・経産の違いも大いに関係しているとは思いますが、私の場合、初産・自然分娩時よりも経産・無痛分娩時の方が会陰裂傷の程度は少なくて済みました。
初産のときは妊娠後期に会陰のオイルマッサージ※もしており、毎日数千歩歩いていた一方で、2度目の産前はマッサージもウォーキングも全くしませんでした。
それでも、初産時はいきむタイミングで我慢しきれずに力をこめすぎてしまった覚えがあるので、その際に裂けてしまったのかもしれません。
無痛分娩時は、先生からも「ほとんど裂けずにきれいだね」と言われるくらい軽めで済みました。
※効果があるかは分かりません。会陰切開が怖く、自己流でやっていました。
会陰の縫合も痛くなかった
出産直後は、胎盤の排出と会陰の縫合がすぐに行われます。自然分娩時は会陰の縫合が思ったよりも痛く、記憶に残っています。
我慢しきれないほどではないのですが、チクチクと刺される感じやひきつれもありました。



私は出産後半はほぼ完全無痛状態だったため、
縫合時も縫われている感覚がありませんでした。


無痛分娩のデメリット


今回無痛分娩を経験して、個人的にはやって良かったと思いました。ただ、「予想外だったな」と思った部分もあったため、共有します。
※あくまでも筆者の場合の話のため、全員が当てはまるわけではありません。
中途半端な麻酔量は普通に痛い
私は計画無痛予定日よりも早く陣痛が来て、結果として自然無痛分娩の形になりました。
陣痛が来てから麻酔が開始しましたが、入れ始めたときは痛みがあり、特に陣痛間隔が5分のときは普通に痛くて半泣きでした。



助産師さんには
「痛かったら足すからね」と言ってもらっていましたが
ギリギリまで耐えなくてはいけないのかなと思っていました。
病院の方針が和痛か無痛かにもよりますが、無痛分娩で麻酔を足してもらえるのなら痛みがあったときに早めに相談すると良いですね。



また、陣痛の痛みを極力避けたい場合は、
完全計画無痛分娩※
(産院によっては計画無痛分娩の名称で同義の場合あり)
を行っている産院を選ぶのも一つです。
正期産(37週)前後の早めのタイミングで計画無痛分娩を行うことで、陣痛による痛みが起こる可能性を減らす方法になります。
麻酔の量が増えると何も感じなくなる
痛みに耐えられなくなり、麻酔を追加してもらった後は、痛みは嘘のように消えていきました。このとき、麻酔を追加するまでは少し残っていた下半身の感覚がほとんどなくなりました。
何も感じないといきむのが難しくなる
何も感じないということは、いきむタイミングを痛み以外で図ることになります。



助産師さんがNST(分娩監視装置)を見て、
タイミングを教えてくれます。
私は経産婦だったため、子宮口が全開になったときの陣痛の感じやいきみ方の力加減はなんとなく覚えていました。
そのため、ちょうどよい感じでいきめたようですが、初産婦さんの場合あまりに痛みがないといきむときに難しいだろうなとも感じました(個人の感想です、ご了承ください)。
いきみがうまくいかなかったり、陣痛が弱くなってしまったりすると、吸引分娩や鉗子分娩でサポートすることがあるようです※。


出産後の反動(悪寒、滝汗)があった
自然分娩・無痛分娩にかかわらず、出産後2時間ほどは分娩台に横になります。



この際に私は悪寒があり、毛布でくるんでもらいました。
出産は7月末の真夏で、特に冷房が効きすぎていたわけではありません。助産師さんには吐き気があるか尋ねられましたが、嘔吐はなく熱も平熱でした。
結局、悪寒がしたまま1時間ほどウトウトとして、その後部屋に移りました。部屋に移った際、赤ちゃんは預かってもらっていたため朝まで寝られる状況でしたが、2時間ほどで起きて全身汗だくでした。
これが、無痛分娩の麻酔によるものなのか、出産によるものなのかは分かりません。
ただ、初産の自然分娩時はなかった症状でした(1人目のときから4年後の出産のため、加齢による影響もあるかもしれません)。
\一応硬膜外麻酔の副作用のソースです/


無痛分娩のリスクの説明は受けた?


無痛分娩を行う際に気になることの一つがリスクです。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、説明を受けた上で納得してから無痛分娩を選択しましょう。
私の場合、どのようにリスクの説明があったのかを紹介します。
無痛分娩予定者を集めた個別の説明会があった
妊婦健診とは別に、無痛分娩の無料講習会がありました。時間は1時間ほどで、実際に担当してくださる麻酔科医の先生の1人が説明してくれた形です。
プロジェクターを使いながら、無痛分娩の方法と起こりうる副作用、費用、病院の無痛分娩体制を説明してくれましたよ。



具体的なリスクについては、
医学的な話になるためかかりつけ医へ直接聞いてくださいね。
\参考までに無痛分娩のリスクに触れられている病院の記事をいくつか貼っておきます/
説明会後に改めて書類へ署名した
私の場合は、講習会後にリスクの説明などが書かれた紙の資料をもらいました。
同紙の最後が同意書となっており、承諾する場合はサインして提出する流れでしたよ。



産院によって異なるかもしれませんが、
自分のサインの他、配偶者(パートナー)がサインする欄もありました。



無痛分娩の講習会は、
パートナーと一緒に参加されている方も多く驚きました。
安全な分娩方法とはいえ、
ノーリスクではないからこそ一緒に受けられると心強いですね。
ちなみに、提出した紙のコピーは返却されて、出産当日に持ってくる持ち物の中に含まれていました。


無痛分娩の産後の回復の早さは?


無痛分娩のメリットとして「産後の回復が早い」と聞いたことのある人もいるのでしょうか?今回無痛分娩をしてみて、体感での感想を紹介します。
出産当日の元気は自然分娩の方があった



出産後の夜は、
初産の自然分娩の方がアドレナリンが出ていたのか元気でした。
無事に産めた!と力がみなぎるようでした。
自然分娩では、産む前は悶えるほど痛かった陣痛が産んだ瞬間にきれいに消え、胎盤が排出されてお腹の膨らみがなくなり、解放感を感じていました。
一方で、無痛分娩は前述のとおり、出産後は悪寒で動けなかったため疲れがどっと押し寄せた感じがありました。



ただ、これは、出産までにかかる時間や促進剤を入れるか否か、無痛分娩の麻酔の副作用などでも変わってくると思います。
会陰の痛みは早めに和らいだ
会陰は、初産(自然分娩)も2回目(無痛分娩)も切りました。2回目の方は「最後にほんの少しだけ」と言われたのですが、実際に会陰縫合の時間も2回目の方が短かったと思います。
比べてはいませんが、切った範囲が少なかった分回復も早かったのかもしれません。



もう一つ、初産では使わなかった円座クッションを
2回目では使ったのもよかったです。
産後使って良かったグッズについては、また別の記事で紹介します。
(非推奨!)産後3週間からは普通に料理をできるまでに
初産は里帰り出産で悪露も少し多かったことから、料理を再開したのは産後1カ月を過ぎてからでした。
一方で、2回目の出産は自分たちだけですると決めたため、退院後に当たる産後1週間から料理はしていました。



ただ、後述の通り、2回目の出産では骨盤が緩んで動くのもやっとでした。
そのため、産後2週間は材料を入れるだけのクッカー(シェフドラム)でなんとか乗り越えました。
激務の夫も、今回は1カ月育休を取って洗濯やお風呂掃除をしてくれたのですが、料理だけは私の担当でした。



この「産後の料理どうする」問題は、
産前めちゃくちゃ悩んだので別の記事で紹介したいと思っています!
(書き上がり次第、リンクで飛べるようにします)
\最終的に採用したもの/
※レビュー記事もなるべく早く書いて共有します!


(おまけ)骨盤の緩みは加齢の影響を受けまくり
初産(自然分娩)も2回目(無痛分娩)も、産前は骨盤のゆがみもなく開きも順調な方でした。
腰回りの痛みは両方ともありましたが、どちらかといえば初産の方が長かったです。安定期から後期まで、ずっと腰痛があったように記憶しています。
しかし、産後は2回目の無痛分娩の方がきつかったです。いずれの出産前後も骨盤ベルトを着用したので、なんとか乗り越えられました。
\着用したもの/



産前から産後まで使えるタイプだったので
出産翌日から着けていましたが、
2回目の方がゆるみを顕著に感じました。
2回目の無痛分娩の後(産後1~2週間)は本当にゆるゆるで、立ち上がるときにゆっくりでないと動けませんでした。
少し歩くと痛みがあり、すり足のようになってしまいました。



骨盤のゆるみは自然分娩と無痛分娩で違いはないと思うので、
加齢によるものだと思っています。


まとめ


今回無痛分娩を選択したのは、正直に言えば初産時の自然分娩時の痛みが怖かったからです。
初産時は出産が未知の世界で「なるようにしかならない!」と開き直っていましたが、2度目は痛みに耐えなければならない時間の長さや後半の激痛が分かっていた分、避けられるのなら逃げたい気持ちでした。
また、上の子も通園しており、退院後はずっと寝ていられないことも分かっており、産後の回復が自然分娩に比べて早いといわれている点も魅力的でした。
無痛分娩にはメリット・デメリットそれぞれありますが、もし次があるのなら、私はまた無痛分娩にします。
東京都では10月より無痛分娩の無償化が始まったため、同都でこれから出産される妊婦さんは、検討してみても良いのではないでしょうか。



